Z世代の「なぜ?」に戸惑う前に
- Asuka Yoshida
- 5 日前
- 読了時間: 4分
「最近の若手社員は何を考えているのか分からない」
「なぜ、そんな働き方をするのか理解できない」――
企業の中高年層の皆様から、Z世代の社員に対する戸惑いの声を聞くことがあります。
彼ら(私達)の行動や価値観は、これまでの常識とは異なるように映るかもしれません。
しかし、その「なぜ?」の背景には、私達が育ってきた時代特有の理由があります。
本記事では、Z世代の価値観が形成された背景を解き明かし、
世代間のギャップを組織の成長に繋げるためのヒントを提供します。
※ちなみにこの記事を作成しているのは、Z世代ど真ん中2000年生まれ現25歳のZ世代です。

Z世代の価値観は「環境」が育んだ
Z世代(1990年代後半~2010年代前半生まれ)は、
インターネットやスマートフォンが当たり前にある「デジタルネイティブ」として育ちました。
私達の価値観は、以下の環境要因によって大きく形成されています。
1. 経済的な不安定さと現実主義
私達は、バブル崩壊後の経済停滞やリーマンショック、コロナ禍といった社会の不安定さを経験してきました。
このため、終身雇用や年功序列といった従来の働き方が保証されないことを肌で感じています。
結果として、私達は「安定」を重視し、リスクを避ける「現実主義」の傾向が強いです。
ワークライフバランスを重視するのも、
プライベートを犠牲にしてまで働くことへの疑問符があるからです。

2. デジタル化による情報過多と効率性重視
幼少期から膨大な情報に触れてきた私達は、効率的に情報を処理し、
無駄を嫌う「タイムパフォーマンス(タイパ)」を重視します。
SNSを通じて多様な価値観に触れる機会が多く、
自分に合った情報を取捨選択する能力に長けています。
仕事においても、非効率な慣習やプロセスには疑問を抱き、より合理的な方法を求めます。

3. グローバル化と多様性の尊重
インターネットを通じて世界中の情報に触れることで、
私達は多様な文化や価値観に自然と触れてきました。
性別、人種、性的指向など、あらゆる違いを受け入れ、尊重する意識が非常に高いです。
企業に対しても、ダイバーシティ&インクルージョンへの取り組みや、
社会貢献性を重視する傾向があります。

ギャップを成長の糧にする3つの視点
Z世代の「なぜ?」を理解することは、単なる世代間の歩み寄りではありません。
私達の持つ新しい視点や感性は、組織に新たな価値をもたらす可能性を秘めています。
ギャップを成長の糧にするために、以下の3つの視点を取り入れましょう。
1. 「対話」を通じて背景を理解する
Z世代の行動や発言に対して、すぐに「理解できない」と決めつけるのではなく、
「なぜそう考えるのか?」と問いかけ、
彼らの背景にある考えや感情を丁寧に引き出す対話を心がけましょう。
彼らが何を重視し、何に不安を感じているのかを知ることで、建設的な解決策が見えてきます。
2. 「効率性」と「透明性」を追求する
Z世代が求める効率性は、組織全体の生産性向上に繋がります。
非効率な業務プロセスや慣習を見直し、
デジタルツールを積極的に活用することで、彼らの働きがいを高め、組織全体のパフォーマンスを向上させることができます。
また、意思決定のプロセスや評価基準を明確にし、
透明性を高めることも彼らの信頼を得る上で重要です。
3. 「多様性」を組織の強みとして活かす
Z世代の多様性への意識は、新たなイノベーションの源泉となり得ます。
異なる価値観を持つ社員が、自由に意見を交わせる心理的安全性の高い環境を構築し、
彼らのユニークな視点やアイデアを積極的に取り入れましょう。
彼らの社会貢献への意識を、
企業のCSR活動やSDGsへの取り組みに繋げることも、組織のブランド価値向上に貢献します。
おわりに:Z世代と共に未来を創る
Z世代は、これからの社会を担う重要な存在です。
彼らの「なぜ?」を理解し、その背景にある価値観を尊重することで、世代間のギャップは乗り越えられない壁ではなく、組織を成長させるための大きな原動力となります。
Z世代と共に、変化の時代を乗り越え、新たな未来を創造していきましょう。
